住宅ローンを滞納してしまった場合、どのように動けばよいのでしょうか?滞納分を支払える見込みがなければ、速やかに売却を検討するべきです。この記事では、住宅ローンを滞納するとどうなるのか、住宅ローン滞納の要因、競売を回避するための任意売却、任意売却の基礎知識について解説します。
住宅ローンの滞納が増加傾向
住宅ローンの滞納が増加傾向であると言います。統計では、日本全国で住宅ローンの返済に行き詰る人の割合は、概ね全体の2%程度とされています。よって、100世帯の大型マンションがあればそのうち2世帯程度は、経済的理由等で住宅ローン返済に困窮していることになります。住宅ローンは早期返済が理想ですが、一般的には返済期間が長期に渡り、このさき何が起こるかわかりません。では、万が一住宅ローンを滞納するとどうなるのでしょうか?
住宅ローンを滞納するとどうなる?
住宅ローンを滞納すると即競売になるかというと、そうではありません。競売は、滞納から約1年後位を目途に行われるケースが殆どです。では、その間には何が行われるのでしょうか?滞納から1.2か月間は金融機関より、住宅ローンの支払い(引き落とし)がない旨の通知や電話連絡がきます。その月だけうっかり指定口座にお金がなかったなどの、事態は容易に想像できます。よって、速やかに支払いを行えば遅延損害金が請求されることもありますが、特に問題はありません。尚、この時点で支払いの見込みが立たない場合は、速やかに金融機関へ返済期間の猶予などの相談を行いましょう。
しかし、先述の通知を無視し滞納から3か月経過すると、金融機関の対応も厳しくなり、支払いを促す督促状が送付され、個人信用情報に住宅ローンの滞納履歴が記録されます。更に、督促状を何度かやり過ごし、滞納から半年程度経過すると金融機関は、保証会社に一括返済を求め、保証会社が代位弁済を行います。そうすると滞納者には、保証会社への支払い義務が発生しますが、返済見込みが立たないと保証会社が判断すれば、徐々に競売へとシフトしていくのです。
住宅ローン滞納の要因
住宅ローン滞納の主な要因を挙げていきます。
・給料が下がった
・事業の失敗
・解雇、リストラ
・病気で休職状態
・無計画、浪費
一番の要因は、仕事絡みです。会社の業績悪化による給与削減、解雇・リストラ、個人経営の失敗などで、ローン返済の原資が失われてしまったことです。また、不測の事態で大病を患い仕事ができなくなったという要因もあります。住宅ローンには、団体信用生命保険はありますが、その他の病気による休職等はケアしておりません。最後に、そもそもの返済計画に無理があったことです。夫婦で共に上限いっぱいにローンを組んだり、子供の養育費や保険など住宅以外の支出を考慮していなかった、浪費癖が激しく住宅ローンの支払い以外の部分を貯蓄していなかった、などです。住宅ローンの返済は長期間になるので、その間何が起こるかわかりません。収入に対しての返済額に余裕を持たせ、ローン返済以外の部分を貯蓄に回せるぐらいに、ローンを組むことが理想です。
競売を回避するために
住宅ローンを滞納し、その後の競売を回避するには、早めに対策を打つことが必要です。まずは、住宅ローンを組む金融機関に返済期間猶予の相談を行います。具体的には、現在ローンの残存期間が20年のところ、10年延長してもらい、ローンの支払い金額を月々に払える金額までに抑えてもらいます。それ以外の対策としては下記が考えられます。
売却資金で完済できるなら即売却を検討する
ローン滞納時は早めに自宅の査定を行うべきです。ローン残債が売却金額を下回る状態であれば、即売却を検討します。競売、任意売却より、通常売却の方が売却の選択肢が広く、売却の自由度があります。通常売却であれば、仲介営業を行う不動産会社であればどこでも依頼できます。
売却資金で完済できなければ任意売却になる
また、ローン残債が売却資金を上回り且つ自己資金でも完済できない場合は、任意売却となります。
任意売却の基礎知識
ここからは、任意売却について基礎的な部分を解説します。
任意売却の相談はどこに?
任意売却の相談は、任意売却を専門で扱う不動産会社になります。広島県内であれば広島不動産がおすすめです。広島不動産であれば出張の無料相談があり、大変便利です。尚、任意売却は仲介売却のノウハウはもちろんのこと、任意売却に関する法律の知識や、金融機関への交渉など、一定のノウハウと経験が必要なため、どの不動産会社でも行えるものではありません。任意売却が滞りなく進むかは、不動産会社の力量も大きく左右するので、不動産会社選びはとても重要です。
任意売却はいつからできる
任意売却は、保証会社の代位弁済完了後から競売開札の前日まで行うことができます。よってその期間は、概ね住宅ローン滞納後3か月から1年以内となるのです。尚、任意売却開始前までに相談や査定等もあり日数を要するので、事前に準備を始めておくのもよいでしょう。
任意売却に必要な書類は?
任意売却開始までに用意する書類は下記になります。
・物件の資料
・売買契約書・重要事項説明書
・分譲時のパンフレット(間取り図など)
・登記識別情報
・住宅ローン借入先からの情報(督促状・借り入れ残高が分かる資料など)
・土地・建物の評価証明書
・マンションの場合は管理会社の連絡先
・固定資産税・都市計画税の納付書
・物件の写真(外観写真2枚~3枚、各居室、キッチン、バスルーム、トイレ、ベランダ、などデジカメ撮影可)
・印鑑証明書(原本)
任意売却後のローン残債は?
任意売却完了後のローン残債には、返済義務があります。競売時のように一括返済は求められません。また、月々で返済できるローン金額に抑え、その分の返済期間を猶予する交渉を金融機関に行います。任意売却後もローン返済は続きますが、競売時のような自己破産は回避できます。
共有名義の任意売却方法
任意売却する物件に共有者がいる場合は、共有者全員の同意が必要です。また、共有者が死亡し相続されている場合は、相続人の同意が必要です。よって、通常売却時と同様に共有者の総意のもとでのみ売却することができます。
ゴミ屋敷でも任意売却可能か
ゴミ屋敷でも任意売却は可能です。しかし、任意売却は内見者に実物を見てもらうので、ゴミ屋敷のままでは心象が悪く販売はうまくいきません。このような場合、広島不動産であれば不用品の回収や処分を行う専門部署があるので大変便利です。依頼者は、複数社に依頼することなく広島不動産で全てできるので、手間が掛かりません。
任意売却で家が売れなかったら
任意売却で家が売れない場合もあります。任意売却は、競売の開札日前日まで可能です。その日までに売却できない場合は、競売に移行します。尚、任意売却は不動産会社で販売行うので、売主の意向や不動産会社の戦略で動くことが可能です。よって、金融機関への同意は必要ですが、柔軟に価格を下げる等対策し、競売を極力回避することができます。
任意売却は専属専任媒介契約が必須
任意売却時の媒介契約は、専属専任媒介契約になります。専属専任媒介契約であれば、成約時に必ず不動産会社に売主分の仲介手数料が入ります。不動産仲介は成功報酬制であり、成約時に仲介手数料が入るあてがなければ金融機関への交渉等は動きにくくなります。また、任意売却は特殊案件であり、どの不動産会社でもできるものではありません。売主と不動産会社の緻密な連携があってこそ成約につながるのです。
任意売却後に住み続ける方法
任意売却は、買主が了承すればリースバック方式で住み続けることができます。リースバックとは、買主に毎月賃料を支払い住み続けることです。例えば、買主が投資目的での購入であれば、即賃借人を確保できるので双方にとって都合の良い制度なのです。よって、任意売却では、売却した家に住み続けられる可能性もあるのです。
任意売却に掛かる費用は?
任意売却に掛かる費用は、仲介手数料(物件価格×3%+6万円)と抵当権の抹消費用です。これらは、売却資金から捻出されるので売主の持ち出し金は基本ありません。尚、管理費や修繕費に滞納がある場合は買主に承継されます。また、交渉により金融機関から引っ越し代金を捻出できることもあります。
まとめ
住宅ローンを滞納したら、まずは速やかに支払いを済ませることが大事です。また、経済的事情によりローン返済が難しい場合は、売却を検討し早めの査定がおすすめです。結果、ローン残債>査定額であれば任意売却となります。住宅ローンを滞納し督促状が来たら、速やかに任意売却に移行する手続きを取るのが、競売を回避するには得策となります。